11月の誕生石・トパーズ|色・種類・性質をわかりやすく解説
こんにちは。十字屋商店です。
11月に入り、少しずつ秋の深まりを感じる日が増えてきました。
毎年「秋らしい時期」が短くなっているようにも感じますが、心地よい気温とおいしい食材に恵まれたこの季節はやはり嬉しいものですね。
今日は、11月の誕生石トパーズについて、色の種類や性質、扱う上での注意点、希少石の特徴についてお話しいたします。
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■ トパーズと「レモン哀歌」
トパーズと聞いて、どんな色を思い浮かべますか?
高村光太郎の『智恵子抄』に収められている「レモン哀歌」には、こんな一節があります。
“わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ“
智恵子の最期の切ない情景に、レモンの明るい色と爽やかな香りが静かに対比される名場面です。
ここで描かれる「トパアズ色の香気」は、レモンのような明るい黄色、清々しい生命力を感じさせます。高村光太郎はその色を、智恵子の人生の輝きと重ねたのかもしれません。
実際、トパーズと聞いて多くの方が思い浮かべる色は、黄色・オレンジ・琥珀色 といった温かみのある色でしょう。
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■ 実はトパーズは “無色の宝石”
意外かもしれませんが、トパーズは本来 無色透明 の宝石です。
内部に含まれる微量元素の影響や結晶構造のわずかな変化によって、さまざまな色が生まれます。
ただし、この「色を生む仕組み」はとてもデリケート。
特にインペリアルトパーズは長時間の直射日光で色が変化する場合がありますので、保管の際は少し気にしていただくと安心です。
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■ 青いトパーズの“正体”
トパーズにはブルーやピンクもありますが、特に ブルートパーズの青色は放射線処理で生まれるものが一般的 です。
近年人気なのは、
• ロンドンブルートパーズ
深く落ち着いた青。ロンドンの夜空のような色味。
• スイスブルートパーズ
鮮やかで抜けるような空色。スイスの高原の空を思わせる軽やかさ。
自然光で見たときの印象がとても豊かで、近年のジュエリーでも人気の高い色味です。
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■ トパーズの性質:硬いけれど割れやすい?
宝石の「硬度」でいうと、
ダイヤモンド > サファイア(・ルビー) > トパーズ
という順番で、トパーズは“傷がつきにくい宝石”に分類されます。
しかし、衝撃には弱く、割れやすい(へき開性が強い)という特徴があります。
つまり「硬い=丈夫ではない」。
リングなどに加工する際には、石の留め方にも工夫が必要です。
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■ 産地と希少なトパーズたち
トパーズの主な産地は ブラジル。
なかでも、
• インペリアルトパーズ
明るいコニャック色〜ブランデー色の輝きが美しい。
高品質のものは近年ますます評価が高まっています。
• ピンクトパーズ
天然のピンクは非常に希少で高価。
市場に多いのは処理によって発色させたものです。
宝石の色の「理由」を知ると、その石の価値の意味がよりはっきりしてきます。
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■ シトリントパーズ? それ、実はシトリンです
「シトリントパーズ」という名前の石を見たことがある方も多いと思います。
しかしこれは 黄色の水晶(=シトリン) であり、トパーズとは別の鉱物です。
ただし、シトリンも 11月の誕生石。
日本ではかつて「黄色い石=トパーズ」と呼ばれていた時代もあり、その名残が今も商品名に残っているのかもしれません。
さて、今回は11月の誕生石・トパーズのお話をさせていただきました。
トパーズは色も種類も豊富で、それぞれの色合いに個性と魅力があります。宝石としての美しさを愛でつつ、石ごとの個性に触れることでより“自分に合う一点”が見つかるのではないかと思います。
十字屋商店でも、さまざまなトパーズのジュエリーを取り扱っております。
色・石の大きさ・デザインの違いなど、ぜひ実物の雰囲気を楽しんでいただければ嬉しいです。
下記にいくつか商品をご紹介いたしますので、よろしければご覧ください。
【ピンクトパーズとダイヤモンドの指輪E0425】
【大きなロンドントパーズの指輪E0193】

















