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2025.10.24 Friday

ほんだかほさんインタビュー

当店では2022年12月からDMデザインを藝大の若手アーティスト、ほんだかほさんにお願いしていました。

当店のDMデザインはほんだかほさんにとってどんな取り組みだったのか?また若手アーティストが地域活動に参加する意味などについて、当時を振り返ってお話しを伺いました。

「光そのもの」をまとうジュエリーの魅力

 

ー最初に十字屋商店のDMデザインの話を聞いたとき、どう感じましたか?

ほんだ:私は昔からガラスや宝石、金属などのきらめくものを描くことが大好きでしたので、宝飾店様のポスター制作を担当させていただけることに大変心が躍りました。
また、宝石の中に潜む小さくも複雑な光の屈折や、その瞬間ごとに変化する色彩を感じ取ることが好きな私だからこそ、十字屋様のジュエリーの美しさをお客様に伝えるポスターを描くことができるのではないかと楽しみに感じていました。

ー私がはじめてほんださんの作品に出会ったのは、上野にあるアメ横センタービルでの展示だったと思います。
宝石やビーズなどの透明素材をモチーフに描かれていたのが印象的で、そのイメージが強かったのでDMをお願いしたいなと考えました。
宝石のどんなところに魅力を感じますか?

ほんだ:宝石やビーズなどの透明な素材は、内部に光を取り込み、それを何度も屈折、反射させながら様々な色を生み出します。それはまるで、光というものを私達の目に見える形にしてくれているように感じます。
ジェエリーを身につけるとき、単に装飾をまとうのではなく、光そのものを身にまとうような感覚になるのはそういった性質を持つ宝石ならではの魅力だと思います。

ー「光そのものを身にまとう」って素敵な表現ですね。
ほんださんにとって、今回のDMデザインはどのような位置づけでしたか?

ほんだ:ポスターデザインとイラストレーション作品の中間のような位置付けでした。
ポストカードとしてお客様の手元に届くということで、それが一枚の作品のように受け取っていただけたら嬉しいなと考えながら制作していました。
実際にお客様がポストカードを飾ってくださっているというお話を聞いた時は大喜びしました。

「まいにち」を彩る、明るく楽しげなデザイン

 

ーお客様からは「おハガキが素敵になった!」や「毎回楽しみにしている」「飾って楽しんでいる」などの感想を寄せていただきました。
私の実感としても、DM制作の回を重ねるごとに、十字屋商店の商品とか店舗の雰囲気なんかを作品世界に取り入れて描いてくれている印象があり、それがアーティストさんとコラボする醍醐味だと感じていました。

ほんだ:ホームページを見て十字屋さんが制作されているジュエリーを知ったことが大きかったと思います。上品で繊細な輝きを持ちつつ、花が咲くような明るく可愛らしいデザインのジュエリーが多いので、そうした雰囲気を活かしました。

ー十字屋商店では、お店のコンセプトとして「まいにちジュエリー」を掲げています。身につける人の毎日に寄り添うジュエリー、お客様のジュエリーライフの毎日と共にある宝石店、みたいなイメージです。
このコンセプトはDMデザインにどんな影響を与えましたか?

ほんだ:ジュエリーのイメージにありがちな「フォーマルな場で使う」といったイメージとは違い、「まいにちジュエリー」というコンセプトは明るく楽しげで、ジュエリーをつけてスキップしたくなるような素敵な言葉だなと感じました。
パーティーや特別なイベントがあるわけじゃない、いつも通りの毎日だって、飾るにふさわしい毎日だと思います。なるべくそのイメージが伝わるよう、色使いやデザインを楽しく華やかな雰囲気にしていました。

ーデザインを制作する上で、印象に残っていることや難しかったことは?

ほんだ:1番印象に残っているのは、クリスマスにgifアニメーションを制作したこと。それまでは一枚絵を制作していたのですが、アニメーションにすることで角度が変わると光の受け方が変わって色が変化する宝石ならではの魅力を表現できました。
難しいと感じることはそこまでありませんでした。十字屋さんがその時々の季節にあったコンセプトテーマを提供してくださったので、そこから着想して絵にしたいイメージがどんどん出てきて楽しかったです。
素敵な季節のコンセプトを作り出してくださったことにとても感謝しています。毎度、なるべくクオリティの高い絵にしようと、楽しんで制作しました。

 

ー今後のほんださんのアーティスト活動の予定や、挑戦してみたいことについて教えてください。

十字屋さんの制作を担当させていただいていたこの数年間の間、私自身も成長し、どんなものを作っていきたいのかが少しずつ見えてきました。現在は生き物を題材にしたアニメーション作品の制作をメインにしており、今後も人々に愛される作品が作れるよう研究し続けたいと思っています。
学部の卒業制作で制作したアニメーションを今年何度か外部で展示する機会があったのですが、何周も見て感想をくださったり、自然と笑いが生まれているのを見て、今後も続けていこうと思っています。

地域コラボの意義

 

ーほんださんはアーティストとしての制作活動などが多忙になったこともあり、DMデザインコラボは終了しましたが、もしまた十字屋商店のDMに関わることがあったら、挑戦してみたいことはありますか?

ほんだ:十字屋さんが作っているジュエリー1つ1つをそれぞれ主役にした絵を制作してみたいです。デザインごとに違った魅力があるので、その魅力やイメージの違いを引き出してみるというのもおもしろいかもしれません。

ーおもしろそうですね!当店も含めた、地域の店舗とアーティストのコラボ展のようなことをしてみてもおもしろいかもしれません。
地域のお店さんたちと協力して活動している「藝を育むまち同好会」では、地域の店舗などのリソースを通じて若手アーティストの応援に繋がればと思い、活動しています。
今回のような地域店舗のDMデザインのお仕事は、かつてのほんださんのような現役美大生にとって、どのような魅力と意味があると思いますか?

ほんだ:普段は個人で制作し、大学内で発表するのみで終わってしまうことの多い絵が、直接たくさんの人の目に触れる場所に発表されるというのは非常に大切で有意義な機会だと思います。絵に対し反応をいただき、それを受け取って次の絵を描くと成長に繋がるということを経験できて非常に感謝しています。
これからも美大生と地域が繋がる場所が増えていくといいなと思います。

アーティストプロフィール

ほんだかほ

2000年 神奈川県生まれ

2025年 東京藝術大学美術学部デザイン科卒業

同大学美術研究科デザイン専攻在籍

アニメーション作品を中心に制作